CEO BLOG / 2026.10.15

うちではPalantir(パランティア)という会社のOntology、AIPという考えを参考にしているのですが、今日はそのことを書こうと思ってキーボードをとりました。
Palantirはどんな会社か
パランティアは2003年にアメリカで生まれたソフトウェアの会社で、創業者の1人は、PayPalマフィアの1人でもあるピーター・ティール。社名は小説の『指輪物語』に出てくる、遠くを見通す石の名前からとっているらしい。
あちこちに散らばったデータをつないで、分析する人が全体を見られるようにするソフトを作っているのですが、何がすごいかというとアメリカの政府、軍、警察が顧客というところ。
このソフトもすごいんですがCEOアレックス・カープの熱量もすごいんです。陸軍のシステムコンペに参加したところ、一番最初はコンペに参加すらさせてもらえなかったそう。
普通ならここで諦めるじゃないですか。でも陸軍を相手に裁判を起こします。「軍が新しくシステムを開発する前に、民間ですでに売っている製品で足りるかを調べなければならないって法律に書いてある」と。
そしてその裁判に勝ち、最終的には陸軍のシステムに採用されます。カッコ良すぎるでしょう。熱い。パランティアとはそんな会社です。
前置きが長くなってしまいましたが、次はOntology、AIPという考えについて書きます。
OntologyとAIP
2023年には、生成AIを会社の業務につなぐ「AIP」というサービスを出しました。それから企業向けの売上が大きく伸びていて、時価総額は約4,800億ドルで、世界28位です(2026年10月14日時点)。
AIPでは、OpenAIやAnthropic、Googleなど、ほかの会社のAIを使います。AIそのものをつくる会社ではなく、AIを会社の業務に最適化しつなぐ会社だと言えるでしょう。
そのつなぎ目にあるのが「オントロジー」です。「お客様」「注文」「出荷」のような会社の中のデータと、そのつながり、そして「発注する」「承認する」のような、そのデータに対してできる操作に名前を付けて、1つの形にまとめたものです。パランティアは、オントロジーは会社のデータではなく、会社の中の判断を表すものだと言っています。
AIは、このオントロジーを道具にして動きます。いきなり会社のシステムを書き換えるのではなく、まず案をつくり、人が見て決める。これがパランティアの基本の形です。
AIはめちゃくちゃ賢くても、会社のデータやルールを知りません。「お客様」が誰を指すのか。その操作は取り消せるのか。それを先に決めて渡しておかないと、AIは毎回それらしく推し量って動きます。パランティアが売っているのは、この先に決めて渡しておく部分だと私は理解しています。
うちは、その考え方を参考にしています
ドラフトでは、社員それぞれのパソコンでAIが動き、作業をしたり、分析したりしています。困っていたのは、同じ名前の数字でも、資料によって期間や数え方が少しずつ違っていたことです。AIは渡された数字をそのまま使うので、数え方がずれていても、ずれたまま答えを返してきます。
そこでオントロジーの考え方を借りて、会社で使う物・数字・操作・決めたことに、1つずつ名前と決め方を付けました。「お客様とは誰か」「この数字は、何を何で割り、どの期間で数えるか」「この操作は元に戻せるか、誰が止めるか、AIだけで行ってよいか」「決めたことを、どの数字で、いつ答え合わせするか」。これを整理しています。
うちにも以前、社内の用語集がありました。でも、読む人がいなくなって止まっていました。(あるあるですね)
決まりは、読まれなくなると古くなります。今度の用語集は、社員のAIが毎回読みます。だから、前の用語集のように止まることはないと思っています。